ゴー宣DOJO

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高森明勅
2012.8.7 12:25

誰も守ってくれない

次男に奨められて「誰も守ってくれない」を観た。

君塚良一監督、佐藤浩市・志田未来主演の
社会派サスペンスで、
平成21年の作品。

殺人犯の家族を守る為に刑事が派遣される、
といういささか突飛な設定を、
受け入れられるかどうかが、
この作品への評価を決定的に左右するだろう。

君塚氏は、自ら脚本を手掛けた
「踊る大捜査線」の取材によって、
そのような事実があることを確信したという。

殺人犯の家族を誰から「守る」のか? 

マスコミからだ。

警察に逮捕された犯人(容疑者)には直接、
接近出来ないので、マスコミはその家族に殺到する。

その異常さを、この作品は取材される家族の視点で、
リアルに描き出す。

だが、物語の進行と共に、
家族に襲い掛かるマスコミより凶暴かつ残酷な存在が、
浮かび上がってくる。

それがネットだ。

殺人犯の自宅の住所を調べ上げて、ネットに晒す。

何の罪もないはずの妹の名前、
通っている学校名、学年、クラス、顔写真まで晒される。

彼女への攻撃は、更に理不尽で、苛酷なものになって行く。

ネットを介して、激しい社会的な
「いじめ」に直面する殺人犯の妹が、
いかにして「救い」を手に入れるのか。

私にとっては大変、興 味深い作品だった。
この作品が劇場で上映された当時、
ネットを介した攻撃も、
さすがにここまではエスカレートしないのでは?

と疑問視する向きがあったようだ。

だが、今の時点で振り返ると、決して荒唐無稽な展開ではない。

むしろ怖いくらいリアルだ。

私は映画に詳しくないが、
ネットが暴走する危うさに対し、
比較的早い時期に警鐘を鳴らした
先駆的な作品だったのではないだろか。 

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28回ゴー宣道場
 『マスゴミとネトゴミといじめ』

平成24年8月19日(日)午後1時 から
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8月は 第3日曜日 の開催です



入場料は1000円。

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『ゴー宣道場』代表・小林よしのり、担当・岸端


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高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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